
小惑星 〜 asteroid
惑星が囁いた。
君は何も答えなかった。
その惑星は誰のものでもなかった。
惑星はただそこにあって、
動きも止まりもしなかった。
そのうちに
そこにいるのか、いないのか
いたのか、いなくなったのか
君のせいで時間が止まってしまった
そこにいるはずなのに、誰も気づいていない。
それは君が空気のようであり石のようであり、
言葉を失った詩人のようであるからだ。
自転しているのに、ずっと静止している。
本当は君も宇宙から見れば動いているんだよ
惑星は泣きだしてしまわないように、
ずっと涙をこらえていた